「風邪でもないのに咳が多くなった」「この頃痰が多くなった」「階段の昇り降りや歩行で息切れがするようになった」など、建設工事にたずさわっている(いた)方、建設工事現場への出入りする(した)方は要注意!
「じん肺」は、さまざまな粉じんが原因で引きおこされる肺の病気のことです。
粉じんは、一度吸い込んだら肺に蓄積され続け、いろいろな病気を引き起こします。石工などに多い「けい肺」、石綿(アスベスト)に起因する「石綿肺(アスベスト肺)」、他に「セメント肺」などもあります。いずれも肺の病気です。
とくに、石綿(アスベスト)によることが明らかな病気として、「石綿肺」「肺がん」「中皮腫」「良性石綿胸水」「びまん性胸膜肥厚」があげられます。これら以外に、石綿(アスベスト)関連と疑われる病気は数十種類あります。
粉じんを吸い込んでから、短期間で発症するわけではありません。比較的早い発症でも数年、通常10~20年後に発症します。
もともと、人間の身体には、異物が体内に入り込むのを防いだり、体の外に出す機能が備わっていますが、建設工事現場で舞っている微細な粉じんは、人間がもっている能力では追いつかずに、肺に粉じんが蓄積され続けるのです。徐々に病気は進行し、咳が多くなったり、痰が多くなったり、息切れをするようになっていきます。
建設工事現場は、さまざまな粉じんが舞っています。建設工事に直接たずさわっている方はもちろん、建設工事にたずさわらない方(建設工事現場に出入りする職種の方など)も、粉じんを吸い込んでいます。これらの職種のみなさんは、肺に関連する病気になったら、「じん肺」を疑い、専門医を受診しましょう。
喫煙される場合「肺がん」は、「タバコの吸いすぎによるもの」と診断されることが多くあります。このような場合、「肺がん」は一般の病気とされ、「じん肺」が原因であることが見過ごされてしまい、仕事が原因の労災保険の手続きがされません。建設工事にたずさわってきた方、周辺作業にたずさわってきた方の「肺がん」は、職業病の可能性が高いものです。必ず、専門医を受診しましょう。
- 職業病の疑いのある病気のレセプトをピックアップ
毎月、埼玉土建国保に医療機関から届くレセプト(医療費の請求書)から、職業病の疑いのある病気をピックアップし、アスベスト・じん肺などの職業病の専門医が確認し、関連疾患の早期発見につとめています。
- 健康診断・人間ドックの胸部レントゲン(肺ドックはCT)の再読影
健康診断・人間ドックの時に撮影する胸部レントゲン(肺ドックはCT)を、アスベスト・じん肺などの職業病の専門医が再度見て確認し(再読影)、関連疾患の早期発見につとめています。職業病の疑いのある方については、再読影結果を郵送しています。
- 専門医受診の声かけ、労災申請を支援
レセプトからの抽出や再読影の結果、職業病の疑いの高い方に、保健師が連絡し、専門医の受診、労災申請などの相談をしています
- 埼玉土建・賃金労働対策部へ
TEL:048-863-6211(代表番号)
- 埼玉土建の各支部
埼玉土建のホームページをご覧ください
- 埼玉土建国保・健康増進課
TEL:048-839-0073