埼玉土建国保は埼玉県を中心に建設業で働く人のための国民健康保険です。正式名称は「埼玉土建国民健康保険組合」ですが、ちょっと長いですから、「土建国保」と呼んでください。
私達の自己紹介代わりに、皆さんから良くよせられるご質問にお答えします。
日本の医療保険制度は、サラリーマンが加入する健康保険、公務員が加入する共済組合、そして自営業の人が中心の国民健康保険の3種類で運営されています。
そのうちで国民健康保険は、さらに地域と業種で2つの種類に分かれます。地域の方は市町村が運営する「市町村国保」、業種の方は同業種で作る「組合国保」になります。
同じ業種で国民健康保険を運営すると、加入している人の等質性から組合員の自覚と協力、事業参加が期待でき、構成員の状況にあった健全な運営が期待できます。今、全国には建設、医師、飲食など164の国保組合があります。
60数年前、アジア全域を惨禍に陥れたアジア太平洋戦争が終わった時、日本の国土は焼け野原でした。この時、再建の中心になったのが私達の先輩の建設労働者です。しかし、当時の労働条件は「ケガと弁当は手前持ち」と言われる何の補償もない状況でしたから、病気やケガは職人の暮らしを直撃しました。
そこで「自分たちにも安心して医者にいける健康保険を」と全国で運動が進み、1953年に健康保険擬制適用という制度を手にする事ができました。
ところが1970年に政府が政令一本でこの制度を廃止したため、各県単位で国保組合を設立して自分達で運営に乗り出すことになりました。
埼玉土建国保もこの時(1970年8月1日)に設立され、それ以来、埼玉土建一般労働組合を母体組織として仲間の健康と暮らしを守るため運営されてきました。現在、埼玉土建国保は、国保組合では全国で5番目、市町村国保を含めると埼玉県では3番目に大きな国保です。
土建国保を運営する財源は、組合員の皆さんの保険料と国からの補助金の二つが中心で、特に保険料が国保組合の運営の大きな部分を支えています。
この財源にもとづいて、保険給付と保健事業をおこないますが、組合員の代表(議員)が集まる年2回の組合会で事業計画を決めています。次の組合会までの間は組合会で選ばれた理事(役員)が細部まで検討して運営をしています。
土建国保は、病気にならないような対策を進めながら、もし病気になったときは安心して治療に専念できるような制度づくりをしています。